仲摩邦彦建築設計事務所
 Nakama Kunihiko Architects

WORKS

OT-House

 

 
山の中腹に浮かぶ箱のような住宅です。

全体のイメージ

山の中腹に浮かぶ箱。
 

外観のイメージ

急勾配で傾斜している敷地の上に、上下に積まれた2つの箱を浮かべました。
 

傾斜地

平らな部分がどこにもない急勾配の傾斜地。
そこで、斜面上にコンクリートの箱を浮かべることで、その上に平らな空間を確保しようと考えました。
 

眺望

斜面の途中に浮かぶように建っているため、眼前には遮るもののない風景が広がっています。
 

傾斜地に平らな場所を

斜面上に箱を浮かべることで、平らな部分が全くない急勾配の傾斜地の中に、唯一の平らな庭となるテラスをつくり出しています。
 

閉じたイメージの外観

コンクリートの箱の上には、鈍く光るアルミの箱が載っています。
中へは、このアルミの箱から入ります。
この家の顔にあたる入口付近は、窓一つない、少し閉じた表情をしています。
それは、防犯のためやプライバシーを守るため等々の理由もありますが、それだけではなく、中へ入った時に広がる室内からの眺望との対比を考えて、わざと入口付近では、そっけない、閉じた表情をつくっています。

 

開かれた箱

アルミの箱の中は、二方向の壁が取り払われて、前面に広がる景色に向かって大きく開かれています。
天井も、床も、真っ白にしたことで、箱の中には、風景だけが飛び込んできます。
光沢のある白い床には、樹々の緑が映り込みます。

 

連続する屋内と屋外

真っ白な床も、壁も、天井も、ガラスを突き抜けて、そのまま屋外のテラスへと連続しています。
 

リビング・ダイニング・テラス

山の中腹に浮かんだ平らな面の上に、もう一枚の平らな面が浮かび、その下が室内になります。
緑の中に浮かんでいるような、リビング・ダイニング・テラス。
 

緑の上に浮かぶ

屋内と屋外とは、屋根が架かっているかどうかの違いでしかなく、
同じように、前面に広がる山の景色に向かって大きく開かれています。
家の中にいても、外にいても、まるで空飛ぶ絨毯で緑の上に浮かんでいるようです。

 

浮かび上がる照明

周囲が暗くなると、昼間は隠れていた灯りが天井に浮かび上がります。
照明器具はすべて、天井に掘り込むように設置されていて、明るい間はその存在が気になりませんが、夜になると光源の見えない光のかたまりとして天井に浮かび上がります。
ガラスの際には、カーテンボックスの中に設置された照明が光の帯をつくります。

 

テラスからの夜景

室内の灯りがテラスを明るく照らし、その先には、山の麓の家々の灯りが夜景となって瞬いています。
 

必要な時だけ出す

大きなワンルームの一角がキッチンになっています。
リビング・ダイニングと一体になっているため、キッチン廻りの様々なものは、その時々で出したり隠したり、選択することが出来るようになっています。
黒く塗られた引き戸の奥には、大きな収納スペースが確保してあり、冷蔵庫もその中に収められています。
また、換気扇のレンジフードも吊戸棚の中に隠れていて、使う時だけ姿を現します。
天井に開いている穴には、照明や天窓が隠れています。
何もない広々とした場所で、必要なものを必要に応じて取り出せるようになっています。

 

ガラスの奥の階段

傾斜地に浮かぶように建っているため、普通の家とは逆になっていて、2階にあたるアルミの箱の方に玄関があります。
そして、ガラスの引き戸を開けると階段があり、そこからまるで地下に降りていくようにして、1階にあたるコンクリートの箱の中へと入っていきます。

 

螺旋階段

階段の上部には天窓が付いていて、下の方まで光が降ってきます。
 

屋内と屋外のギャップ

コンクリートの箱の上に載っているアルミの箱は、木造であるにもかかわらず、その中は真っ白で無機質な感じの空間になっていましたが、コンクリートの箱の方は、コンクリート打放しの硬い外観の印象に反して、中に入ると木を多用した柔らかい雰囲気の空間になっています。
屋内と屋外の雰囲気を、あえて逆にしました。
そのイメージのギャップを利用して、それぞれの空間をより印象的なものにしようと考えました。

 

寝室からの眺め

コンクリートの箱の中の寝室からの眺め。
風景を絵のように切り取っています。
周囲が暗くなると天井のそこかしこに、昼間は隠れていた照明にの光が浮かび上がります。

 

カーテンボックス内の照明

寝室の照明はカーテンボックスの中に隠れています。
光源が見えない上に、カーテンの方を照らしているため、ベッドで寝ながら天井を見上げても眩しくありません。
 

斜面上の建築

斜面の途中に浮かぶように建築しました。
そのため景色を遮るものはなく、また周囲からの視線を気にする必要もありません。 
 

開放感

広がる景色の全てが家で、その中でたまたま屋根が架かっている部分が室内になっている、と感じてしまうぐらいの開放感のある住宅を目指しました。
 

斜面の庭

春になると斜面の庭に花が咲きます。
 

鮮やかな緑

鮮やかな緑に覆われています。
 

緑に埋もれる

季節によっては緑に埋もれます。
 

テラスの先の絶景

白いタイルのテラスに立つと、目の前には、この絶景。