仲摩邦彦建築設計事務所
 Nakama Kunihiko Architects

WORKS

惣菜かぼす

 
 

ローコストの店舗改装です。
真っ白い場所に、いくつかの木の箱を並べたような空間になっています。

全体のイメージ

真っ白い場所に、いくつかの木の箱を並べたような空間になっています。
 

改装前

改装前はあまり良い状態ではありませんでした。
また予算の制約もあって、水廻り等の設備・配管を大きく動かすことは困難でした。
 

店内のイメージ

設備・配管の位置を動かすことなく、その囲い方を変えることで、全く別の空間に変えようと考えました。
そして、三角形の平面の真っ白い空間に、木の箱だけが並んでいるような姿をイメージしました。
 

外観のイメージ

店内は、床も壁も天井も真っ白にして、中に並んでいる木の箱だけが、外から見ても際立つようにしてあります。
 

外観

看板や外装等には予算を割くことができないので、木の箱が並ぶ不思議なインテリアが、外を歩く人からもよく見えるようにすることで、看板の代わりに人目を惹こうと考えました。
 

材料

箱の壁には、OSBと呼ばれる下地などでよく用いられる木質ボードをあえてそのまま使っています。
予算の制約を考えて、出来るだけ加工がしやすく安価であること。
中から見ても外から見ても、ちょっと不思議な質感があって目に留まること。
そして、壁面を利用して様々なお報せを貼る掲示板としてに利用出来るようにするため、画鋲などの傷跡が目立たない材料であること、等々がその理由です。
予算、意匠、機能(使い勝手)等、様々なことを考慮して選択された材料です。

 

店内のイメージ

白い空間に、木の箱が並び、黒いカウンターが浮かんでいます。
出来るだけ少ないモノだけで出来たシンプルな空間を目指しました。
 

少ない要素で多くの機能を

黒いカウンターは、木の箱に巻き付くようにして、客席から厨房内へと繋がっています。
カウンターは、客席側では大皿料理が並び、厨房側では作業台に、という具合に役割を変えています。
白い空間に、たった一枚の黒いカウンターを浮かべるだけで、多くの機能を満たそうと考えました。

 

店内のイメージ

わずか7坪、しかも三角形の店内。
そのような場所を出来るだけ広く有効に使うために、必要な機能をすべて木の箱の中に収め、その他の部分を「余白」として、残しました。
 

一つながりの空間を多様に

木の箱以外の「余白」部分はすべて、一つながりの空間とすることで、広がりが感じられるようになっています。
ある部分は、
テーブルや椅子を置くことで客席となり、またある部分は厨房となっていますが、一方でそれらはすべて、連続した大きなワンルームとなっています。

 

一つながりの店内

木の箱以外の部分は、店内の端から端まで、一つながりで繋がっています。
 

シンプルな方法で魅力的な空間を

余白となる部分に、テーブルや椅子を置くことで客席になっています。
店全体をワンルームとして、その中に木の箱を並べる。
ただそれだけの、出来るだけシンプルな方法で、魅力的な空間となるようにと考えました。